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文字とか絵とかもうなんでもありのたらたらブログ。 主に創作や版権感想など。予告なく過激表現が出現する危険もあります。御了承ください。
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GT,終わっちゃいました。
スッゴイ惜しい。悔しいけど嬉しい。超嬉しい。いや、あの……やっぱ複雑。
#38が、あと一歩でチャンピオンだったのに。でも、素晴らしい追い上げでした。やっぱり大好き。
次のシリーズがはじまるまで、何して生きよう……はあ。 (演奏会があるだろうが。)

うちねこ第四回。
ここで一区切りです。やっと序章が終わる。やっと本題に入っていける。
続きからどーぞ。



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「は、はいっ!?」
思わずいい返事をしかけて、渡良部を見直す。
「はい?」
「だから。武東、お前が猫探し。この事件に当たれ。」
「な、なんでですかっ?自分はまだ配属三ヶ月の新米ですよ、まだ地理もさっぱり……ていうか、前の所属とかでも、スリとか食い逃げとか、そういうの追っかけてたことしかないんですけど!絶対先輩が行った方がいいです!絶対!」
武東の必死の抗議だったが、しかし、それはたった一言で却下された。
「や、無理。」
「なんでですかあ!」
「俺、酷いネコアレルギーなの。」
「へ?」
聞けば、猫を見るだけでくしゃみが止まらなくなるらしい。
「だから、猫の近くに寄れねーし、それに、――まあ、いいや。とにかくそういう訳だから。」
よろしくなー、と人差し指と中指だけでちょい、と敬礼してみせて、渡良部は話は済んだとばかりにデスクに戻ってしまった。
「ちょ」
待って、と情けない声で言いかけて、武東は後ろに京花がいたことをはっと思い出した。
「あ、か、春日部さん。」
振り向くと、京花が不安げな顔をして佇んでいた。
そう。未だ京花の猫は誰かに誘拐され、無事かどうかさえわからないのだ。
やれる、やれないではない。やるのだ。
そう思ったとき、武東は自然に言葉を紡いでいた。
「あの、自分、やります!確かにまだまだ新米ではありますが、熱意なら十分にあります。全力で、頑張ります。」
飾らないまっすぐなその言葉に、京花の表情がわずかに和らぐ。
「宜しく……御願い致します、武東さん。」
「はい、こちらこそ、お願いします!」
「お、ちょっと待て、武東。」
渡良部に呼び止められて振り向くと、何かをぽいと投げられた。
「……これ、持って行け、携帯電話。何かあったら連絡するし、そっちからもくれ。」
「判りました。」
「あと、そのアホらしい脅迫状。」
「あ、コレですか。」
そういえば未だ白手袋の手に持ったままだった紙を示すと、渡良部はそうそれ、と一つ頷いた。
「何か出るかもしれないから。一応鑑識に持っていった方がいいだろ。お前が現場行くなら、俺が行くから。」
「ありがとうございます、じゃあ、お願いします。」
コレを、と言って武東は渡良部に脅迫状を手渡す。
「確かに預かるな。……武東。」
「はい?」
「……頑張れよ。」
「……はあ……?」
妙に同情のこもった渡良部の声に送られて、武東は派出所の外、春の街へと歩き出した。
 
誘拐された猫を救うため。街の平和を守るため。

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