文字とか絵とかもうなんでもありのたらたらブログ。 主に創作や版権感想など。予告なく過激表現が出現する危険もあります。御了承ください。
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うわあー、もうすぐ明日になってしまう。
そうやって毎日毎日、私のことを置いていくんだー、時間は。コノヤロ! あー、明日が楽しみだな。だな。 季節としては秋が好きだけど、題材にするなら春が一番好き。 特に桜っていいよねー。梶井基次郎然り。というか、桜という題材を、梶井基次郎で好きになった。 「桜の下には死体が埋まっている。これは信じていいことなんだよ。」 ロマンチックすぎる。 だから唐突に頭の悪い文章を載せてみたりする。 ============================================================== 「ねえねえ、春っていつから始まるんだろう。」 唐突に投げかけられた質問に、僕はとっさに答えを返すことが出来なかった。 「はる?」 「そうよ、春。春はいいわね、あったかくて、優しくて、でも、夏みたいにうざったくない。」 「それ、夏に失礼。」 「そうかしら?まあいいのよ。私は春が好きなんだから。」 そう言って、君はケラケラと明るく笑う。 その笑顔がまぶしくて、僕の顔も、自然と微笑んだ。 「僕も春は好きだよ。気が付くと始まっていて、意識する頃には終わっているんだ。それが春。」 「でもまだ寒いから、春はまだね。」 そういって彼女は上を見上げて大きく両手を振り回した。冷たい風は、まだぴりぴりと皮膚を突き刺す。 「……暦の上ではもう春なのに。」 不貞腐れたような表情でつぶやいて、あーあ、と彼女は大きく息を吐く。 「二月はダメね。”2”っていう数字がまだあったかくない。四月はもう春真っ盛り!って感じ。」 「じゃあ、三月?」 「うーん、そうね。そうかもしれない。」 僕の言葉に、今度はにっこりと微笑む。 彼女の表情は、くるくると良く変わる。 「”3”って言う数字も寒そうじゃないし。春は三月になったら来るのかもね。」 「って、もう三月だけど。寒いよ。」 「いいの。私は今決めたの。三月になったら、春がきっと来る。だから、その日を逃さないように、私は毎日春を待つわ。」 隣を歩きながら、彼女は器用にその場でくるりと回ってみせた。ふわり、と首に巻いたマフラーが浮く。 桜色のそれに、僕は一瞬本物の桜を連想した。風に流れる花弁。 「もしかしたら、春はもう来てるかもしれないけどね。」 「気付かないだけで?」 「そう。気が付かないだけで。」 そういって彼女はにこりと笑って見せた。 その笑顔があまりにも温かくて、優しくて、まぶしくて。 ああ、本当に春はもう来てるのかもしれないなと、僕はそっと思った。 ================================================================= これ、いつか何かの複線になるかも、ね。 PR この記事にコメントする
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