文字とか絵とかもうなんでもありのたらたらブログ。 主に創作や版権感想など。予告なく過激表現が出現する危険もあります。御了承ください。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
今日はエイプリルフールだっ!
大好きなサイトさんの企画に引っかかってようやく気付きました。 雪崩です。 あー、今日「明日から学校だ」とばかり思っていて、嘘つく考えが起きなかった。 残念。 今日やった事といえば、時間割考えてサークル関係の仕事してアホの相手してルパン見まくって、ドリフ見てたくらいかなあ。 せめて空気だけでも四月馬鹿してやるう! ======================================================= 「はるだねえ」 柔らかな陽を思い切り浴びながら、ヤツは気味悪いほど穏やかな笑顔で言った。 「君と一緒に居られる、最後の春だ」 「……?」 さらりと言われた言葉に、頭が追いつかなかった。 「ちょ、」 「黙ってたけど、この際言うね。俺、引っ越す事になったんだ」 あまりにも淡々と流れる声に、却って生々しく言葉の意味が俺に突き刺さる。 「どこ、に」 「アメリカ。」 空を見上げたまま、ヤツは言う。 「来月には、行くよ」 いつの間にか、笑っていた筈の表情は、さみしそうな笑顔に変わっていた。 「桜、もう一緒に見られない。…もう、会えない」 「そんな、急に」 さっきまで心地よかったはずの陽も、風も、全部全部嘘っぱちで空っぽなものに変わって、心臓と頭だけがどきどきどきどきうるさく騒ぐ。 ずっとずっと、あって当たり前だったものが、あまりにもあっさりなくなってしまう。 嫌、だ。 絶対。嫌だ。 「……っていったら、君、どうする?」 「は」 ぽかり、と。いきなり壊れた世界に、俺はかなり間抜けな声を上げた。 「なに」 「…大丈夫?参ったな、こんなに効いちゃうなんて。あのさ、今日がいつだか分かってる?」 楽しさ半分、呆れ半分、といった感じのヤツの表情に、ギシギシきしむ脳で今日の日付を思い出す。 しがつついたち。 「……」 「思い出した?今日は、エイプリルフールです。だから嘘ついてみました」 全く悪びれていない百パーセントの笑顔に、軽く殺意が沸く。 「コノヤロウ」 こんなヤツのために。何であんなに取り乱さなくちゃならなかったのか。 「あははー、だってそんな見事に引っかかるなんて思わなかったんだよ。許して」 「もう絶対こういう悪趣味するなよ」 「あいあい、了解」 春の日差しも霞むほど。 見事に曇りのないまっすぐな笑顔を向けられて。 気付いたら、俺は怒るよりも呆れるよりも、ただただヤツと一緒に大笑いしていた。 風は軽く暖かく、太陽はどこまでも柔らかい。 四月一日、エイプリルフール。 四月馬鹿。 馬鹿で、いい。 PR この記事にコメントする
|