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文字とか絵とかもうなんでもありのたらたらブログ。 主に創作や版権感想など。予告なく過激表現が出現する危険もあります。御了承ください。
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 見てみて!竹千代とうちの猫!

 ほらこれ!ちっちゃいでしょ??ミニパソ!













……あ、うそです、すいません。これ電子辞書です。 (見ればわかる)



ホントは、これです。








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ばーん!これが竹千代です。ちなみに中央の赤いのはシャーペンです。

キーボードが反応悪いんで、これからどんどん調教していきたいと思います。


685c76ed.jpeg








ねこと写すとこう。



と、さんざんパソコン自慢をしてしまつた雪崩ですた。

松も開けたので、そして罪悪感と義務感でそわそわしてきたので、短編をのせます。

正月らしく和風??な感じで。でも意味不明で暗いです。
よろしければ続きから読んでやってください。
今年もこんな感じでよろしくお願いします。






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『小町』




幾年を超えて尚艶やかなその小町の面は、ひっそりとひっそりと。
哀しみとも、喜びとも知れず。
淡い表情を浮かべ、唯そこに存在していた。
 
誰も訪れることのない山奥に、古い家屋が建っていた。
重々しく木々に沈むその家は人の気配なく、冷え冷えとした空気を纏い建っていた。
 
数ある部屋の中でも最も凛と冷え込んだ一室に、その面はあった。
黒く沈んだ紫の敷布に載ったその面は、周りが薄暗く翳る中、まるでそれ自体発光しているかのように白く浮き上がっている。
幾年も幾年も、古くから伝えられたその小町の面は、汚れも、僅かな皹すらなく艶々と光沢を放つ。
伸びやかに彫られた目許や口許は、見るようによっては微笑みのようにも、また悲しみの表情にも受け取れた
寒々とした部屋に似合わぬ丸い光沢を、小町は面に宿す。
艶々と。艶々と。
 
その面の傍らに、一人の女が座していた。何代も何代も、脈々とこの小町の面を受け継いできた、最後の一人がこの女だった。
女は、この世の全てに失望していた。
女は、絶望していた。この世が虚構と虚栄に呑まれていると気付いてしまったから。
女は、怒っていた。この世がありとあらゆる欺瞞に満ちていると知ってしまったから。
女は、諦めていた。この世が所詮儚いものだと悟ってしまったから。
女は、疲れていた。この世を、これ以上生きることに。
 
女は、艶やかな小町の面を見つめる。
幾年も、幾年も、この家の女に伝えられてきた面。
微かな曇りも、疵一つも無く、愉しみとも哀しみともつかぬ微かな表情をその目許口許に浮かべ、女を見つめ返している。
呪の小町。
それがこの小町に伝えられた言い伝えであった。
被る莫れ舞う莫れ。犯せば死が訪れる。
女の白い手が、尚白い小町の面を持ち上げた。
死が訪れる。それで構わないと女は思った。ゆったりとした動作で面を被り、立ち上がる。既に衣装は調えてあった。
す、と。右手を出す。応えるように、右足を。
右手が、左手が、右足が、左足が、滑るように冷たい床を動き、舞い、動く。
音楽も、唄も、筋書きすらない。
だが、女の中には確かに音楽も、唄も必要なものは全て存在していた。
忍びやかに、滑らかに、荒々しく。女は舞う。
儚さを、絶望を、怒りを、虚しさを込めて、女は滑る。
いつしか、女の身体には汗が浮いていた。
冷え込んだ空気を一瞬一瞬白く染め、女の熱が移動する。
女の顔は小町の面と汗で密着し、息苦しさを感じさせていた。
そして、女自身は気付いていなかったが、同時に女は泣いてもいた。
額に浮いた汗が、若しくは知らぬ間に流れた涙が小町の面の裏側を舐め、女の口の端に留まる。
それでも女は舞い続ける。
呼吸すら儘ならず、薄く開いた口に、流れた雫が流れ込もうとも。
女は端々と。右手を左手を右足を左足を。動かし舞い続ける。
女の舌先に感じた甘美な痺れが、如々に全身に広がる。
それが異常だと知って尚、女は舞い続ける。
既に、女は自ら舞っているという感覚を喪っていた。
小町の面と己との境界はいつの間にか融け、やもすれば小町の面が自らを操っているのかもしれなかった。
舞っているのは、己か、小町か。
それで構わない、と女は思う。
全身を包む甘い痺れが指先にまで届いた時、不意に女の視界が黒く染まった。
女の右手は左手は宙を裂き、女の右足は左足は宙を踏む。
それでも尚、女は舞っていた。
凡てが見えなくなって尚、己の足音さえ聞こえなくなって尚、手足の感覚が失われて尚、女の右手は左手は右足は左足は舞い続ける。
しかし、その動きも段々に緩やかになり、やがて、緩々と、緩々と、女の体は動きを鈍くして行き。
そして、最後の一踏みと共に、音も無く床に倒れ伏した。
女の顔から滑り落ちた小町の面が、カラリと空ろな音を立て、冷ややかな床に落ちる。
面の外れた女の表情は、絶望も怒りも虚しさもなく、只々伸びやかな死に顔をしていた。
まるで能面の如く、微笑むような、何かを悲しむような、何のようにも受け取れる表情を。
事実、女の心はそのようでもあったのかもしれない。
 
床に落ちた小町の面は、僅かも変わらず艶やかなまま、横に伏した女の死に顔を見つめていた。
曇り一つ無い表面は、女の汗に濡れ益々艶やかに闇に浮かび。
哀しみとも悦びともとれるその目許口許は。
今確かに笑んでいるように見えた。
まるで死んだ女を哂うが如く。
艶々と。艶々と。
幾年幾年女の命を喰らい永らえてきた面は、ひっそりひっそり、艶やかな光沢を放っていた。
 
急速に熱を失いつつある女の体の横で、ひっそりと。
ひっそりと。



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