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文字とか絵とかもうなんでもありのたらたらブログ。 主に創作や版権感想など。予告なく過激表現が出現する危険もあります。御了承ください。
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あ、免許、取れました(笑)良かった良かった。

という訳なのか何なのか、更新祭りその4でございます。
始めたと思ったらもう終わりが見えた…早いな(というかこういうやる気をもっと早く出ry)

ちょっとずつ蔵の方も更新したり改造したりしているので、良かったら覗いてやって下さいませ。






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京花は、派出所の少し向こうに止まっていた黒塗りの車に乗って帰っていった。運転席には運転手。さっき京花のためにドアも開けていた。

「本当に住む世界が違うよなあ。」
「そうだよなあ。」
走り去る黒い車を見送っていると、ふらりと後ろに渡良部が立った。アレルギー症状は大分マシになっている。
「世界っつうか、人間の種類が違うんだ。」
「……そうですかねえ……。」
人間はみんな同じ人間なのではないだろうか。
微妙に不満そうな武東の表情を読み取ったのか、派出所の中に戻りながら渡良部がはあ、と息を吐いた。
「お前、あの女に惚れたろ。」
「……っ!!!!!」
自分の心の中でさえ、きちんと形にしていなかった自分の感情を、ズバリと言葉に出されて武東はうろたえた。
「そそそ、そんな、こと」
「武東、あの女は、やめとけ。」
「へ?」
冗談ではなく、渡良部の表情は至極真面目だった。
「冗談じゃねえぞ。あの女と関るな。手を出すな。絶対に、だ。」
渡良部がここまで言うとは、只事ではない。ということは、もしや。
本当に“何か”があったのだろうか。
「先輩と、春日部さん、お付き合い、してたんですか?」
「ハァ!?!?!?!?!?」
自分的には、かなり核心に迫った爆弾のつもりだった。だが、渡良部には別のテポドン級の衝撃が走ったようだ。
「ジョーダンじゃねえっ!!」
ガコォン、と勢い余って椅子が倒れた。
「違うんですか?」
「全然違う!!ていうかお前、あの女がトシいくつだか知ってんのか!?」
渡良部の剣幕にたじろぎながら、武東は自分の推測を口にする。
「二十、六・七?」
「馬鹿、あの女もう三十八だ。」
テポドン級の衝撃に襲われたのは、今度は武東の方だった。
サンジュウハチ!?あれで、さんじゅうはち!?あと二年で四十じゃないか!!
「や、でも、そんな、年の差とか」
「大学生の息子がいるぞ。都心の名門エスカレーター私立だ。」
今度の衝撃は、ハルマゲドン並だった。立っていられない。座っていて良かった。
なんだ、この怒濤の精神攻撃は。
「まあ、もう旦那は西向いてるけどな。言ってなかった?」
「聞いてないっす。」
出た声は、自分でも驚くほど泣きそうだった。
「じゃあ先輩は、春日部さんが三十八の元人妻で、大学生の息子がいるから手を出すなって言ったんですかあ?」
武東の為を思って。だがそれでは、渡良部が京花にあのような態度をとっていた説明は付かない。
案の定渡良部は首を横に振った。
「違う。それ位なら俺は人の色恋にガタガタ言わねえよ。」
それでは、どんな理由があるというのか。
「じゃあ、なんで、」
訊かれた渡良部は、なぜか心底不思議そうだった。
「なんでって、お前」
渡良部はサラサラとメモ帳にボールペンで字を書いた。
 



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次で終わりです。
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