文字とか絵とかもうなんでもありのたらたらブログ。 主に創作や版権感想など。予告なく過激表現が出現する危険もあります。御了承ください。
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えーと、これで最後。中編小説終了です。うーん、やりとげた。自己満足だけどさ。
あとは蔵に上げて。それで本当におしまい。 やることなくなると寂しいもんですね。 次も連載系で攻めたいなと思いますが……うーん。 今考えてるどっちでやろうかな。迷うし。 今日はなんだかテンションが駄々下がり。 あがらない。モチベーションが上がらない。天気と気温と気圧のせいだ。 =============(前略)================ 渡良部はサラサラとメモ帳にボールペンで字を書いた。
========================================================= [ 月下 会 ] 月下会。そう書いてあった。 「月下会じゃないですか。」 「ああ、そうだよ。そんでな、」 続いて更に文字を書き足す。“月下”と“会”との間の空白に、“部”の文字を入れ、代わりに“会”の字をバツで消した。 [ 月下部 ] 「これ、何て読むか分かってるよな?」 武東は、知らなかった。だから、当てずっぽうに読んでみる。 「げっかぶ、ですか?」 武東の答えに首を振って、渡良部は漢字の上にルビを振ってくれた。 [ かすかべ ] と。 月下部=かすかべ ということは。 月下部=かすかべ=春日部=…… 春日部 京花ではなくて、月下部 京花……!? 「つまり」 「つまり、あの女は月下会の十三代目姐になるはずだった女、だ。」 天地が音を立てて引っ繰り返った。ハルマゲドンの、更に上があるとは。 「じゃあ、あの黒塗りの運転手」 「アイツは幹部の一人だ。幹部の中じゃダントツに若いが、会長に気に入られて将来の十三代目の右腕なんて呼ばれてやがる。要注意人物だよ。」 社長令嬢と運転手じゃ、なかったんですか。 「言わなかったか?」 聞いてないっす。 だがこれで全てに納得がいった。 渡良部の京花に対する邪険な態度も。――相手がやくざ本家の人間なら、警戒して当然だった。 京花に名前を尋ねた時、少し驚いた顔をしていたのも。――自分の名前を知らない人間がいることが、意外だったのだ。 彼女のちょっと不思議な言動も。――表と裏では流儀が違うのだ。 渡良部に度々発言を止められたのも。――京花に情報を流すのは、敵に情報を流すということだ。 全部全部に合点が行った。 「犯人が月下会じゃなかったんですか?」 「ああ、違うぞ。」 「被害者が、月下会だったんですか?」 「ああ、そうだ。」 「じゃあ、祝は……?」 月下会の人間でなければ、どこの何者だ? 「祝は、月下会と対立してる、鞍馬企画の使いっぱだ。……言ってなかった?」 「聞いてないっす!!」 僅か一分で世界が百八十度姿を変えて、もはや武東の頭はパニック状態を通り超えていた。 春日部、月下部。京花が十三代目姐。極道。猫。祝。三十八、元人妻、大学生の息子。 ていうか、極道の人間が交番に来るなよ!! 呆然と立ち尽くしている武東を、渡良部が、慰めるように肩を叩いてくれた。 「明日非番だろ。……ゆっくり休め。」 「はい……。」 何も言わないでくれるのが、とても嬉しかった。 春は、本当に色々な事が起こる。
月下の息子さんや未来の右腕(笑)さんのお話も、いつか書きたいものです。楽しい面白い事だけじゃなく、辛い事、悲しい事だって呼び寄せる。出会いに別れ、恋の成就に失恋。 そんななかに、「不思議なこと」というのも付け加えよう。 猫が誘拐されたり、極道の人間が交番に助けを求めたり、人より猫が強かったり。 滅多にあることじゃない。でも、確かに起こりうるもの。それが、不思議なこと。 楽しい事も、悲しい事も、ついでに不思議なことも呑み込んで、今日も春の街は動き出す。 そんな街で、今日もお巡りさんたちは、楽しく一生懸命、街の平和を守っています。 ======================================================== 長らくお付き合い頂きましてありがとうございました。 ぶっちゃけこのオチに向けて全力を傾けていましたので、このオチを守れてよかったです。 武東岩音の受けた衝撃は、「ノアの箱舟事件」くらいでかいですね。大丈夫かな。 あー誰得???????これ。 PR |