文字とか絵とかもうなんでもありのたらたらブログ。 主に創作や版権感想など。予告なく過激表現が出現する危険もあります。御了承ください。
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なテンションの雪崩です。実感が湧かなさ過ぎて逆に笑える。
ていうか、キリスト教徒でもなんでもないしな!だからおめでたくもない。 そんな雪崩の荒んだ心情を表すため、あの不朽の名作を茶化してみました。 アソデルセソさん、ごめんなさい。 その名も…… マッチ売りの中年男 クリスマス二日間更新です。 今日は前編。 続きからどうぞ。 ================================================================================== マッチ売りの中年男。 ある寒い寒い雪の降る日。街は様々な色の電灯が輝いて、もみの木は立派に飾り付けられている。
そう、今日はクリスマス!皆が楽しみにしている、お祝いの日なのである。
夜も更けて、人々は足早に帰宅を急いでいる。そんな中を、疲れた声が泳いでいた。
「マッチは要りませんか、お安くしますよ。」
必死にマッチを売り歩く、冴えない中年男。陰気な声で、通行人に呼びかけている。
だが、かわいい少女ならともかく、冴えない中年男では同情とともに緩みかけた財布の紐も締まるというものだ。
よって、この男の売り上げはいまだない状況だった。
「マッチは要りませんか。……ふう。」
冴えないマッチ売りの中年男はため息をついて、手近な家の壁にもたれかかった。白い、きれいな家だ。玄関には小さなもみの木を飾って、色鮮やかな豆電球が点滅している。窓からは明るい光と、楽しそうな声が漏れてくる。
「いいよなあ、金持ちは。」
思わず愚痴をつぶやく。
「こんな仕様もない仕事、やめちゃおうかなあ。」
だが、このマッチを売らないと、男の今日の晩御飯のお金も手に入らない。
そう考えるだけで、ますます嫌気が差してくる。
身は凍りそうだし、手も、足の先も、ジンジン痺れて、もともと不器用なのが輪をかけてどうしようもなくなっている。そのせいで、彼はついさっき、たった一足しかなかった靴に別れを告げたのだ。
「いや、あれは絶対馬車がいけない。俺は、悪くない。」
靴をなくした冴えないマッチ売りの中年男は呟くと、少しは風除けになりそうな物影を見つけて、座り込んだ。もう、商売をする気なんてさらさら起きてこない。
「さむい。」
靴をなくした冴えないマッチ売りの中年男はかごに入れていたマッチを一掴み取り出した。商売物に手を出すのはあまりよくないことだが、文句を言う女房はもういない。男は景気よくマッチに火をつけた。
燐の燃える臭いが、つんと鼻を突く。
「おお!」
勢いよく燃える炎を見つめて、男は野太い声を上げた。
なんと、炎の中に上等の酒と、つまみが浮かんでいる。贋物には見えない。まるで本当にそこにあるかのようだ。男は、酒がこの貧乏暮らしの原因のひとつであったことを完全に棚に上げて、炎に浮かぶ酒に手を伸ばした。
だが、その手が届く寸前に、マッチの炎は燃え尽きてしまった。
「ああ、俺の酒。」
そう呟いても、雪の上にはマッチの残骸が残っているだけで、酒もつまみも帰っては来ない。
「よし、もう一度だけ。」
こう自制心が効かないことも貧乏暮らしの原因のひとつであることをすっかり忘れて、男はもう一掴みマッチを取り出した。えいや、とばかりにマッチをする。
「うおお!」
そしてまたしても男は叫び声を上げた。なんと今度は炎の中に今流行のルーレット台、ビリヤード、そしてカードなどがうかんでいる。
ギャンブルがこの貧乏暮らしの一端を担っていたことを忘却の彼方にやり、男は品定めを始める。
「まず何をやろうか。この間大負けしたルーレット……いや、ここはポーカーか……」
長いこと迷った挙句に、男はようやく決めた。ルーレット台に、まっすぐ手を伸ばす。
しかし、いかんせん迷う時間が長かった。
「ああ……」
男の期待むなしく、マッチは燃え尽きてしまった。残されたのは、雪上の燃えカス。
「どうしようかなあ、やろうかなあ、でもこれで最後だしな。」
最後の一束を手に、男は悩んでいた。
こういう優柔不断なところが貧乏暮らしの一角を成していたことは、歯牙にもかけない。
散々迷った挙句に、やっぱり男は商売物に手を出した。
「ええい、ままよ!」
威勢よくマッチをする。
そして。to be continude ... ... 明日に続く。 PR この記事にコメントする
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